豊橋の茄子

2025年06月17日
  • 6月
  • 焼物
  • 煮物

 各地には姿も味も違ういろいろな茄子があり、料理人は持ち味によって使い分けています。喉を潤すほどに瑞々しくて、果実のように甘い水茄子は漬物やサラダ向き、千両茄子は皮が薄くて実は柔らかく、上品な風味が味わえる焼き茄子や煮浸しに。他にも改良をせずに野趣をとめた原種の茄子などにも注目が集まっています。今日はその中の千両茄子と丸茄子の一品。

1.冷菜
《焼茄子の山椒味噌かけ》
千両茄子、干貝柱捌き、木の芽
A:山椒味噌(実山椒10g、田舎味噌
  40g、玉味噌50g、干貝柱の煮汁)
1)千両茄子のウテナの先を少し落とし
  て形を調え、縦に皮目に数本浅く切
  り筋を入れる。
2)刷毛で茄子にまんべんなくサラダ油
  を塗り、焼網にのせて炭火でしっか
  りと転がしながら焼く。
3)熱いうちに絞った布巾などを使って
  皮をむく。風味が抜けて水っぽくな
  るので水には取らないこと。粗熱が
  取れたら冷蔵庫で冷しておく。
4)酒を10%加えた昆布水に干貝柱を約
  10分浸して戻し、そのまま火にかけ
  中火弱で柔らかくなるまで炊く。煮
  汁に浸したまま冷まし、手で細かく
  裂く。
5)Aの実山椒をすり鉢で当たり、田舎
  味噌、玉味噌を合わせて4)の戻し
  汁で好みの固さ(耳たぶくらい)に
  のばして山椒味噌を作る。
6)3)の焼き茄子を食べやすく手で裂
  いて長さを揃えて切り器に盛り、
  4)と木の芽を添えて5)の山椒味
  噌をかけて供す。

2.煮物
《茄子の蕃椒煮》
 丸茄子の醍醐味を楽しむなら、定番の蕃椒煮。トビアラの旨味を生かして一寸贅沢に仕上げる。
丸茄子(又は白茄子でも)、 トビアラ、 焼ミョウガ、鷹の爪
A:だし5、酒1、味醂1、砂糖0.5、濃
  口0.5、淡口0.5
1)丸茄子は天地を落とし、縦に細かく
  包丁筋を入れる。四つ割にして面取
  りをする。
2)トビアラは殻をむき、頭は取りお
  く。
3)ミョウガは縦に割り、強火で網焼き
  にして焦げ目をつける。
4)鍋底に昆布を敷き、皮目を下にして
  1)の茄子を並べ、トビアラのむき
  身と頭はそれぞれガーゼで包み入れ
  る。古釘または小さい金串(還元鉄
  の粉でもよい)をガーゼで包み入れ
  る。そして鷹の爪を加える。
5)ボウルにAを合わせて4)の鍋に注
  ぎ入れ、落とし蓋をして炊き始め
  る。煮汁の量は茄子が浸るくらいに
  する。
6)トビアラのむき身は火が通ったらす
  ぐに引き上げて、煮汁を容器に少し
  取り浸しておく。3)の焼きミョウ
  ガを加え茄子に菜箸がスーッと通る
  まで中火強で約15分炊く。
7)火から下ろしトビアラの頭を取り出 
  し、煮汁に浸したまま一晩おくと深
  みのある瑠璃色に仕上がる。
8)トビアラの身と7)の茄子を彩りよ
  く鉢に盛り、ミョウガを添えて供
  す。好みで冷しても温めてもよい。

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