
日本料理の必須科目といえば、鱧、ふぐ、スッポン。これらは他の技術の応用が効かないゆえ、個別に習得する必要があります。今日は鱧の一品を、このうえなく濃厚な「鱧の松茸すり流し」椀で演出します。
鱧と松茸は初秋の出合いもの。相性のいい組合わせの中でも贅沢感を抱かせる料理。その上品な味わいは、完成度の高さにおいて日本料理の頂点に君臨する秋の味覚。日本人なら誰にでも美味しいと感じられ、喜ばれる料理。
材料:活鱧800gくらい一尾、松茸3本、
青柚子
A:鱧アラ一尾分、水2ℓ、酒300㏄、昆布
10cm角1枚
B:Aの鱧出汁800㏄、淡口25㏄、みりん
5㏄
1.鱧のアラを軽く霜ふりにして冷水に
取り、汚れを取り除いて鍋に入れ、
Aを加えて火にかけ沸いたら中火弱
にして約20分煮出し、スッポン仕立
てにする。それを漉してクリアな鱧
出汁を取る。
2.鱧の身は骨切りをしてから、皮のぬ
めりの層とゼラチン質の層をはがし
(ヘチマなどで擦る)、極限まで薄
くしておきます。
3.松茸はカサと軸に分け、軸は焼松茸
に。この軸と鱧出汁を少量加えて、
テルモミックスで松茸ピューレを作
る。
4.先の鱧出汁を沸かして淡口と少量の
みりんを加えてB味を調えます。こ
こに下ごしらえした鱧2をくぐらせ
て引き上げ、お椀に盛ります。松茸
のカサもくぐらせて火を通し、鱧と
盛り合わせます。
5.3の松茸のピューレを4の鱧と松茸
に火を通した鱧出汁を加えて溶きの
ばし、香りとうまみの塊りのような
松茸のすり流しを作って4のお椀に
張ります。 6.刻んだ青柚子を天盛
りにして仕上げます。鱧と松茸のエ
キス満載の美味しいお椀です。