鱧の松茸すり流し

2025年08月19日
  • 8月
  • 椀物

 日本料理の必須科目といえば、鱧、ふぐ、スッポン。これらは他の技術の応用が効かないゆえ、個別に習得する必要があります。今日は鱧の一品を、このうえなく濃厚な「鱧の松茸すり流し」椀で演出します。
 鱧と松茸は初秋の出合いもの。相性のいい組合わせの中でも贅沢感を抱かせる料理。その上品な味わいは、完成度の高さにおいて日本料理の頂点に君臨する秋の味覚。日本人なら誰にでも美味しいと感じられ、喜ばれる料理。

材料:活鱧800gくらい一尾、松茸3本、
   青柚子

A:鱧アラ一尾分、水2ℓ、酒300㏄、昆布
  10cm角1枚
B:Aの鱧出汁800㏄、淡口25㏄、みりん
  5㏄

1.鱧のアラを軽く霜ふりにして冷水に
  取り、汚れを取り除いて鍋に入れ、
  Aを加えて火にかけ沸いたら中火弱
  にして約20分煮出し、スッポン仕立
  てにする。それを漉してクリアな鱧
  出汁を取る。
2.鱧の身は骨切りをしてから、皮のぬ
  めりの層とゼラチン質の層をはがし
  (ヘチマなどで擦る)、極限まで薄
  くしておきます。
3.松茸はカサと軸に分け、軸は焼松茸
  に。この軸と鱧出汁を少量加えて、
  テルモミックスで松茸ピューレを作
  る。
4.先の鱧出汁を沸かして淡口と少量の
  みりんを加えてB味を調えます。こ
  こに下ごしらえした鱧2をくぐらせ
  て引き上げ、お椀に盛ります。松茸
  のカサもくぐらせて火を通し、鱧と
  盛り合わせます。
5.3の松茸のピューレを4の鱧と松茸
  に火を通した鱧出汁を加えて溶きの
  ばし、香りとうまみの塊りのような
  松茸のすり流しを作って4のお椀に
  張ります。 6.刻んだ青柚子を天盛
  りにして仕上げます。鱧と松茸のエ
  キス満載の美味しいお椀です。

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