あわび

2024年11月05日
  • 11月
  • 煮物
  • 飯・汁

 あわびは海藻を食べて大きくなる。年々その数が減り、大きさも小さくなるばかり。まさに「磯のあわびの片思い」は、高嶺の花。
 あわびをあわびの肝の入ったタレで焼くから「肝焼き」。コリコリとした食感が命の、海の宝物でつくる芸術品。
 あわびの旬は年に二度。晩春から夏にかけてが黒あわび、秋から春が蝦夷あわび、その時期の身の太ったものが食べどきである。

【あわびの共焼きとあわびごはん、大船
 煮】
1.餅鮑
  蝦夷1杯100gを3杯、大根200g、 水
  3ℓ、酒2 00c、塩10g、 淡口10㏄、
  昆布20g
① まず餅鮑を作る。
② 蝦夷あわびを殻付きのまま塩みがき
 をして洗う。
③ 鍋にあわびを入れ、一口大の乱切り
 にした大根を加える。
④ 水、酒、塩、淡口、昆布を③の鍋に
 入れて火にかけ、沸いたら極弱火にし
 て約1時間30分戻し、火を止めてその
 まま冷ます。餅鮑の仕上がり。

2.あわびの共焼き
 1.の餅鮑一杯、キャロット豊色煮
   40g
 A:あわび肝10、卵黄5、淡口0.5
 B:砂糖蜜(水2、砂糖1)、バター、
   塩、レモン汁
① 餅鮑を殻よりはずし、肝を取る。上
 身は表面に松笠状に包丁で切り目を浅
 く入れる。
② 肝は裏漉しにかけ、Aの割合で掛け
 タレを作る。
③ ①の餅鮑に金串を打ち、サラマンダ
 ーで焙り温めたら、あわびの包丁目の
 側に②のタレを刷毛で一塗りして焙り
 乾かす。タレを塗る、焙るを三回繰り
 返してきれいに仕上げる。あわびは火
 が入っているので、共ダレが乾くくら
 いに焙ることでよい。
④ 人参を1.5cmの厚さの輪切りにし
 て、好みの形の形抜きで用途に合わせ
 て型取る。
⑤ 鍋に入れて水から茹でる。沸いたら
 取り出す。
⑥ 別鍋に人参を入れ、Bの砂糖蜜を人
 参が被るくらいに入れ、塩少量を加え
(0.2%くらい)て味をつけ、バター5g 
 を入れてそのまま火にかける。
⑦ 沸いたら中火弱にして煮詰め、仕上
 げにレモン汁10㏄を加えて艶よく仕上
 げる。
⑧ ③のあわびを食べやすい大きさに切
 り、殻に形よく盛り入れて、表面に木
 の芽を天盛りとする(赤しそ粉を振っ
 てもよい)。⑦の艶人参を形よく盛り
 添えて供す。



3.あわびごはん(炊き込み)
 1.の餅鮑一杯、米1合、 枝豆5g(正
 味)
 A:餅鮑の戻し汁180㏄、淡口5㏄、ミ
   リン5㏄、昆布5g
① 餅鮑は好みに切る。(拍子木、短
 冊、あられなど)
② 米をきれいに洗って水切りをして炊
 飯器に入れ、同量のAで仕掛ける。
③ ①のあわびと昆布を入れて炊き上げ
 る。
④ 炊き上がったら茶碗、またはあわび
 の殻に装う。
⑤ 別に塩ゆでにして取り出した枝豆の
 実を散らして供す。



4.餅鮑大船煮
 1.の餅鮑一杯、大豆水煮50g、千両
 なす1/2本、木の芽
 A:餅鮑の戻し汁360cc、だし120㏄、
   三温糖10g、淡口10㏄(片栗粉2%
   ~)
① 餅鮑は殻からはずし、親指大くらい
 の角切りにする。肝は二つに切る。
② 鍋にAを合わせて火にかけ、①のあ
 わび、大豆を入れて再度沸いたら弱火
 にして約20分焚いて味を入れる。火を
 止めそのまま冷ます。
③ 冷めたら再度次にかけて、味を調え
 ながら約10分弱火で煮含める。
④ 千両なすは蛇腹茄子にして油で揚げ
 る。
⑤ 器に③のあわびの大船煮と④の揚げ
 茄子を盛りつけ、③の煮汁に薄葛を引
 いて張り、木の芽を天盛りとして供
 す。

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